うえの犬猫病院は犬、猫専門の動物病院です。

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症例紹介

膀胱結石

膀胱結石とは

膀胱結石は膀胱炎や細菌感染、尿路閉塞の原因になります。特に尿路閉塞が危険で、結石が排尿路に詰まると急性腎不全となり1~2日で生命に関わる事もあります。

よくみる膀胱結石はストラバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム)とシュウ酸カルシウム結石の2種類で、これらの発生率は全膀胱結石の80%を越えます。その他の種類の結石も色々ありますが、実際にはあまり出会いません。

どうして起きるの?

膀胱結石はいくつかの要因が合わさって起こります。結石になりやすい品種、リスクのある食餌、少ない飲水量などがその代表的なものとなります。ただし、同じ食生活をしていて膀胱結石ができる子もいればできない子もいるので、体質という面も大きいようです。

診断は?

頻尿や血尿といった症状から膀胱のトラブルを疑い、尿検査と超音波検査やX線検査を行うことで膀胱結石かどうかを調べます。

左 の写真は膀胱結石を患ったワンちゃんのX線写真です。青矢印が膀胱内に多数存在している結石です。橙矢印が尿道から出て陰茎骨手前まで流れて詰まってし まった結石です。右の写真は超音波検査で見えた膀胱内の結石です。超音波では液体は黒く描写されるので 、本来黒く見えるだけのはずの膀胱内に白いものが 見えています。

治療は?

治療は、ストラバイト結石なら食餌療法で結石が溶ける可能性がありますが、外科手術で摘出する場合もあります。シュウ酸カルシウム結石なら食餌療法では溶 けないため、外科手術が選択となります。上のワンちゃんは尿道内の結石を膀胱内に押し戻してから手術で膀胱内の結石を取り出しました。

重要 なのは手術などで膀胱内に石が無くなったら治療終了ではなく、これまでと同じ食生活をしていると再び膀胱結石になる可能性が高いので食餌療法を続けて予防 していくことです。基本的には食餌は療法食のみを与えてもらい、結石に配慮していないおやつなどは与えてはダメです。ただし、シュウ酸カルシウムでは適切 な食餌療法を続けていても再発する事があるので注意が必要です。

また、水分も重要な因子で、水分摂取量が少ないと尿が濃縮されて結石が析出しやすくなります。人間ではこまめに水分を取るように指導されますが、動物では 「水をたっぷり飲んでね」と言っても飲んではくれません。あまり水を飲まない子には、水の食器を複数置いたり、ドライフードをウェットフードに変更したり 事が有効です。

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